合格実績ってなんだろう?

塾のチラシや公式サイトで、『合格実績』なるものをよく目にします。
多くのご家庭では、塾を選ぶ判断基準の一つとして『合格実績』を見ているのではないでしょうか。
特に成績上位の生徒はこの項目を一番に考えている人も少なくないでしょう。
その場合、「合格実績が高いから、質の良い授業を行っているであろう」という判断から、この数値を重要視しているものと思われます。

 

しかし、もしその『合格実績』なるものが、授業の質と何も関係がなかったとしたら?

 

今回は塾がこぞって宣伝している『合格実績』というものに対し、「本当にそれは合格実績と言えるの?」と一石を投じてみたいと思います。

 

 

実は当塾では開業以来一度も合格実績というものをチラシに書いたことはなく、サイトに記載したこともありません。
当塾から何人も秋田高校・秋田南高校に合格していますが、それを『実績』と称して公表することを意図的に避けてきました。
なぜならば、その合格を「これはウチの実績です!」と喧伝することに違和感を覚えるからです。

このことについて、一般入試と前期選抜の二点に分けて説明します。

 


【一般入試の場合】

例えば、以前秋田高校に合格したある生徒のケース。

この生徒は、中3の秋にウチに入ってきました。

「今まで塾に行ったことはないんですけど、どうしても数学だけが安定しなくて・・・。独学ではここが限界かなと思って、今日来させていただきました」

って、本人が言うんですよ。
ずいぶん謙虚で、大人な感じです。

で、点数はどうかというと、それまで中3の実力テストが5回あったうち、直近の数学が過去最低の79点、他の回の数学は大体85点前後で、最高は95点もありました。

最も苦手で不安定な科目の点数がそれです。

ということは当然他の科目はもっと良いわけで、他はどの回の実力テストも数学以外90点以上が当たり前という点数でした。
数学はともかく、それ以外で90点を割ると落ち込むという生徒です。
中3実力テストで、ですよ。塾に行かずに。
まだ伸びしろを残しつつ、現時点で実テ440点前後という状態で入ってきました。

 

はっきり言って、時期を考えればこの時点でこの点数なら秋田高校合格は完全に合格圏です。
塾なんか行かなくても合格するでしょう。
それでも本人は抜かりなく、謙虚に、「数学が苦手で、これ以上は独学では限界」と言って教えを乞うような生徒なんです。
より盤石にするためという意味なのでしょうけれども、これだけ点数を取っていて「自分はまだまだ」と受験に向かおうという姿勢がある時点で、よっぽど当日イレギュラーが発生しない限りこの生徒は合格します。

 

さて。

この生徒はその後もちろん秋田高校に合格しましたが、これって私の実績と言えるでしょうか?
私のおかげで合格したんでしょうか?

 

 

 

違いますよね。

 

 

私が教えなくても入塾時点で合格圏に入っており、しかも非常にまじめに取り組む生徒です。
うちの塾じゃなくても、どこの塾に行ったとしても合格していたでしょう。

ということは、私のおかげで合格できたわけではなく、「合格する予定の生徒がたまたまウチに在籍してくれただけ」というのが実態であります。

合格する予定の生徒がたまたま在籍してくれただけという状況は、塾の実績なんでしょうか?

 

冒頭で書いた違和感というのがこれです。
『実績』という言葉に、「ウチの指導のおかげ!」というニュアンスを私は感じてしまうのです。
でもその塾の指導のおかげで合格したのではなくて、初めから合格することがわかりきっている優秀な生徒がたまたまそこに入ってくれただけという状況は、決してその塾の指導のおかげで合格したわけではありません。
塾側は「ウチの指導のおかげというわけではない。その子が優秀だっただけ」と謙遜してしかるべき状況なのに、「ウチのおかげ!!秋高合格者がこんなにおまっせ!!どうでっか!?ウチに入りまへんか!!?」とドヤ顔で喧伝する塾のなんと多いことか。
これには私も苦笑いですよ。
ねぇ大手さん。


例えば秋田高校合格者数の多いある塾。
名前は出しませんが、そこではその塾主催の全国模試を行い、基本的にはその結果をもとにクラス分けしています。
そこで初めから最上位クラスに振り分けられる生徒は、私が見るに、全員秋田高校合格レベルの能力の持ち主です。
入塾前の時点で、です。

これが意味するのは、金をかけて優秀な生徒の囲い込みに成功すれば、いくらでも『合格実績』なるものは買えるということ。
すなわち、合格実績の高さは「その企業には金がある」ということを意味し、それ以上でもそれ以下でもないということです。
指導力が高いかどうかはこれだけではわかりません。


というか、ごめんなさいね、関係者が見たら気を悪くすると思いますが、大手で点数が上がらなくてウチに転塾してくる生徒が毎年たくさんいる中で、ごく一部の優等生以外は軒並み基礎からしてボロボロです。
ほんと、伸ばしてやろうって気あるのか? と憤慨しきりです。
お金取ってやってるんでしょ? なんで基礎からボロボロのまんまなの?
何もできるようになってない子だらけですよ。
ちゃんとやろうぜ!

 

転塾してくる生徒からは必ずどんな感じで進めていたかを聞いており、まぁなんと指導の下手なことか。
『できるようにさせる』という徹底さが欠如している。
それと、安易な解法テクニックの指導に走り、そもそも「なぜそれが成立するのか」の根本の部分を理解していない生徒に対し裏技的なものをサクッと教えてしまうから、それが通用しない時でも当てはめようとして失敗したりする。また間違っていても気付かない。
またそういうテクニックがあまりにも多すぎて覚えきれず、どれを使っていやらわからなくなっている。

 

そんなもんはいらないんですよ。
根本が分かっていれば個別の解き方の暗記なんて全くしなくても解ける。
だから、『やり方忘れたから解けない』という現象が非常に起きにくくなるんです。
でも個別の解法テクニックの暗記を重視している指導だと、「なんでそれで答えが出るのか」という一番大事な、応用問題を解くために必要な根本が抜けているんです。
大手で点数が上がらなかった生徒に共通している現象です。


そりゃ上がるものも上がりません。
こういう現実を知っているからこそ、「あぁ、金で合格実績買ってるだけだな」と私にはわかるわけです。
一般の方からは見えない視点です。

もちろん、生徒側が反抗的で不真面目な場合であれば、ウチに転塾してきても点数は上がらないということが起きるでしょうから話は変わってきます。
しかし現実に、ウチに転塾してきた生徒たちに上がらなかった生徒はいません。


そのため全員が前の塾在籍時では考えられないほどの点数を取るようになっています。
具体的には、前の塾で50点前後だった生徒は必ず80点~100点取るようになり、それ以上で入った生徒は90点~100点が当たり前になっています。
※当塾で言うところの『全員』とは3か月以上継続して通っている生徒のことを指すため、テストが行われる前に辞めていった生徒は除きます


繰り返しになりますが、全員です。
何件かのケースだけ抜粋したのではなく、開業以来転塾してきた生徒全員の話をしています。
これは歴然とした腕の差が存在しているということを意味します。


現に、ある大手進学塾の最上位クラスから一つ下に落とされた生徒が当塾に転塾してきたケース。
その生徒は当塾で学び始めて1年半後、模試で数学秋田県1位まで上り詰め、5教科合計でも常に学年上位、秋田高校合格は余裕というところまで達しました。
どこを受けても大丈夫という前提で志望校を悩んだ結果、将来の夢の関係で秋田高校以外のところに進学しましたが、はっきり言って「この能力を持った生徒でクラスを落とされるのか」と思いましたね。
滅茶苦茶ポテンシャルの高い生徒だったにもかかわらず、彼曰く、そこに在籍している生徒たちはみんな自分より上ですよと言います。
しかも、そのほとんどが最初からそのクラスに振り分けられた生徒ばかりのようです。

 


ということは、その塾が公表している秋田高校合格者数の内訳としては、塾の指導によって『伸びてそこに到達した』のではなく、『最初から秋田高校に合格する生徒を囲ってるだけ』というのが見て取れるわけです。
『合格実績No.〇!』とチラシや公式サイトに書かれていますが、それの意味するところは優秀な生徒を集めることに成功したということであり、生徒を伸ばす腕があるかと言ったらそれとは別な話なわけです。

 


その生徒たちって、入塾前からもうそのレベルに達しているんですよ。初めの模試で振り分けてるんですから。
つまりその塾の講師が指導力を発揮してそこまで達したわけではありません。
ということは、上で挙げた当塾の例と同じで、状況的には初めから秋田高校に合格する予定の生徒がたまたまその塾に在籍してくれただけ、と言えるわけです。
実際にはたまたまではなくて戦略的に囲い込んでいるわけですが。

 

 

次に、秋田高校の合格者数が多いというその理由について考えてみます。
県内上位校の合格者数が多いという事実は、以下の条件を満たせばどんな塾でも成すことができます。

 

・金をかけて講師を多くそろえる(後述しますが、ここで重要なのは学歴であって講師の腕は関係ありません)

・金をかけて充実した設備(自習室など)を用意する

・金をかけて宣伝広告に力を入れる(テレビCM含む)

・金をかけて『良い立地』を確保する

 

要は、会社に潤沢な資金があれば入塾時点で優秀な生徒を集めることができ、県内上位校の合格者数をたくさん輩出することができるようになるわけです。
マーケティングのマの字も知らない素人にもできる、一番単純な生徒の集め方です。

しかしこれは、肝心の

・講師の腕が良い

・ここに通えば成績が上がる

とは別の話です。

 

もし仮に県内上位校の合格者数が多い上に、塾全体として点数が上がっている生徒だらけだったとしたら、それは腕がいいと間違いなく言えます。

しかし、秋田高校合格者数が多いにもかかわらず、成績が上がっていない人も割と多いとなれば、これは秋田高校合格者数の内訳は講師の腕によって伸びたのではなくただお金をかけて初めから合格するであろう生徒を囲い込んでいるだけということが露呈するわけです。

 

まぁ、私がわざわざ言わなくても、あの大手もこの大手も点数が上がっていない生徒がいっぱいいるという現実はみんな知っていると思いますが。

 

別に成績優秀者を囲い込む経営戦略についてとやかく言うつもりはありません。
営利目的のサービス業ですから、営利のために最善を尽くすのは当然でしょう。

 

ただ、それを「合格実績」とは言ってほしくない。
「合格者数」と言ってほしい。

 


こんな細かいところにこだわってるのは私だけだと思いますが、私の中では全然違います。
この二つの言葉には天と地ほどの差があるからです。
塾が成績を上げて合格したのか、それとも初めから優秀でどの塾に入っても合格する予定の生徒を多く集めただけなのか。
全然違います。
金をかけて優秀な生徒を多く集めれば、『合格者数』は増えます。
でも初めから450点の生徒が450点取るのと、300点の生徒が伸びて450点取るのでは全然意味が違うんですよ。
前者は講師の腕が悪くても生徒が優秀だから、講師が足を引っ張らない限り毎回良い点数を取ってくれます。指導が下手でもです。
しかし300点から450点は、講師の腕が良くなければそこまで伸びたりはしません。
重要なのはこの点数の推移であって、合格者数ではない。

故に、塾選びで悩んでいる生徒には「トップ高合格者数が多いか少ないかは君がこれから成績が上がるかどうかの判断基準には全くならないよ」と知っていただきたいのです。
全然別の話ですから。

 

大事なのは、君が今より上がるかどうかじゃないですか?
初めから出来のいい生徒が予定通り秋田高校に進学した数が多いからと言って、君が上がるかどうかとは関係ありません。
初めから出来のいい生徒と同じ勉強方法を採ったところで、君が上がるかどうかはわかりません。

 

塾選びの際最も重要視すべき判断基準は、そこに通ったら成績が上がるかどうかです。

それを判断する材料として最も信頼できる数字は「入塾前と変わらない人や、下がっている人がどれだけ少ないか」です。
つまり、生徒の点数の推移です。
しかし、塾は自分に都合のいい情報しか開示しませんから、上がった人だけ抜粋して「こんなにたくさんの人がこれだけ上がった!」と書きますが、実体としては下がった人の方が多いということは往々にしてあります。
隠しますからね、下がった人の数なんて。
外部からはその実態はつかめません。
つまり最も信頼できるはずの数字が、塾側が公表しないためにわからないわけです。
だからギャップが生じるんです。塾に通っても上がらないということがしょっちゅう起こるわけです。

 


点数が上がらない原因というのはたくさんあります。
大きく分けて塾側の原因と生徒側の原因に分かれるわけですが、ここでは塾側の原因として

・指導のレベルが低い(わからないまま帰っている生徒が多数、かつその後もできるようにさせ切っていない)

・扱っているテキストやプリント類がその生徒にとって適切でない(易しすぎると実テや模試で点数が上がらず、難しすぎてもついていけない)

・扱っているテキストや問題の演習量が生徒にとって適切な量でない(生徒によって2回やれば完璧になる人もいれば、10回やらないと身につかない人もいる。また教え方によっても回数は異なる)

・週1回では上がるわけがない状況の生徒に、週1回で来させている(カリキュラムが適切でない)

テスト後、点数が上がらなかった場合に塾から説明や改善策の提示がない

 

まだまだありますが、ざっと挙げてこういうところに問題のある塾は、まずダメです。
現在どこかの塾に半年以上通っていて成績が上がっていない場合、以上の項目を確認してみてください。
数字は嘘をつきません。
恐らくいくつかの点で不備があると思います。
特に最後のが重要です。


塾側から何も言ってこない場合、家庭側から相談やクレームが出ない限り、この先対策を講じることなく今までと同じ指導を続けるという意思表示ですから、継続しても上がる見込みは薄いでしょう。
お金と時間を使って点数が下がることほど悲しいことはありません。

なおここで言う改善策の提示とは、『今回悪かった原因の説明と、それを立て直すためのカリキュラムの提案、その実施を無料で行う』ということを言っています。
よくありがちな「追加の講義を有料で受けてください」という勧誘のことではありません。
良い塾は追加料金なしで対策し、次回結果を出します。
私はこれを当たり前の行為と考えています。
「もっと講義を多くとらないと点数は上がりませんよ」と、塾の力量不足を棚に上げて、点数を上げたいなら追加料金を払えというやり口をしている塾は、残念だな、と思います。
力不足を反省するどころかもっと金を払えとは何たることか。

 

例えばカリキュラム(授業回数)の問題。
入塾の面談の時点で、生徒によっては週1回だけではどうにも上げようがないというのはプロだったらすぐにわかります。
にもかかわらず、生徒側の要望として「まずは週1回から」と言ってきたとき、「はいわかりました」と週1回で授業をする塾。

ウチではあり得ません。
「2回来てください。場合によっては補習でもっとやりますが、それは無料で行います。私の指示通りにやれば必ず上がることをお約束しますが、週1回ではそれが不可能です。2回来てください。無理ならやめにしましょう」

と、最初にはっきり言います。
私の仕事は『必ず成績を上げること』です。
生徒側の要望によりそれが不可能になるような事態が最初から分かっているならば、つまり週1回でお願いしますと言うならば、その仕事は受けません。お断りしています。
その代わり、指示通りやれば必ず上げると親御さんの前で約束しています。


 

結局は、こういうところって経営幹部の『仕事観』の問題だと思うんですよね。
私は結果を出すことが仕事だと思っています。だから結果を出しますし、結果に責任を持ちます。
必ず数学を伸ばすということです。

 

しかしそうでない塾は、『勉強を教えるのが仕事』と思っているわけです。
成績が上がろうが下がろうが、勉強を教えるところまでが我々の仕事で、そこから先の結果については責任など持てない、と。

もちろん「責任を持つ」まで言い切っている塾はウチぐらいしかないのでそこまでしろとは言いませんが、せめてもっとまともに勉強を教えてやってほしい。
他塾からウチに流れてくる生徒の、なんと悲惨なことか。
毎年多くの生徒たちが「大手に通っていたけど点数が上がらなくて」と言って当塾に入ってきますが、本当に「前の塾はいったい何をやってたんだ?」と思わざるを得ないケースだらけです。
何もできるようになってないじゃないか。

当塾への転塾後の点数アップについてはトップページやチラシにある通りですから敢えてここには書きませんが、全員が飛躍的に伸びています。
大半が、入って3か月で過去最高点更新という結果を出す、あるいは数学90点~100点という点数を取ってくる。
前の塾で伸びなかった生徒たちも含めてほとんどの生徒が3か月で、です。
半年あれば盤石です。

 

私が『実績』という言葉に対して敏感なのは、こういう背景があるからです。
どこの塾とは言いませんが、指導力が低いくせにさも「ウチの指導力が高いから合格実績が〇〇です!」みたいな書き方を見るたびに、すげえ神経してるなぁ、と思うわけです。
アンタんとこの指導、解法述べてるだけじゃねえか。
『身に着けさせる』ということについて、本当に現場レベルでちゃんと議論した方がいいよ。
少なくとも、思考力の高い生徒以外は解法を述べるだけで身についたりはしません。

 

私なんてほっそいほっそい神経してますからね。
必ず点数を上げている私でさえ、『合格実績』などといった図々しいことは書けないです。

 

 

これまで私が合格実績を一切書かなかった理由は、こういう『仕事観』をもっているからです。

過去何人も当塾から秋田高校に合格していますが、その生徒たちは全員、ウチじゃなくても合格するような能力の持ち主でした。
たぶん塾自体行かなくても合格できていたと思います。
謙遜でも何でもなく、客観的事実から判断して、合格する予定の生徒がたまたまウチに入ってくれただけです。
彼ら・彼女らが初めから優秀だったわけですから、私の腕が良いことの証明には全くならない。
だから、それを私の実績とは呼びたくないのです。

 

もちろん、その生徒たちは全員入塾後に数学が伸びました。
上位層の生徒ですから初めから伸びしろがあまりない状況でしたが、実テ・模試できっちり点数を伸ばし、安定して高得点が取れるようになっています。
模試では入塾後に伸びて数学で県内1位を計4回取った生徒も今年の受験生にいます。

こういった点に関しては私の実績と胸を張って言えます。

ただ、だからと言ってこれまでの生徒たちが秋田高校に合格したのは私のおかげとは思いません。
それほどまでにポテンシャルの高い生徒が、たまたまウチに来てくれただけのことです。

この違い、大事だと思います。

 


 

【前期部活動枠について】

スカウトによるスポーツ推薦枠というのがありますね。
これなんか、上で述べた一般入試の件よりひどいです。
スカウトが来てスポーツ推薦枠で入った場合、その競技に長けているからスカウトが来たんですよ。

それで合格した生徒のことも多くの塾は『合格実績!』と謳っているわけですが、


それ、塾関係あるか?

 

塾はスポーツの指導をやったんかと。
「今日の2時間目は部活だ!テニス部はコート出ろ!水泳部はプールに急げ!」
とか言って各競技の指導をしている学習塾、聞いたことがありません。

もしそれをやっていて、かつコーチの指導が良くて県大会上位などを果たしているのであれば、それは塾の実績と宣伝しても私は文句ありません。
でもやってないですからね。塾で部活。

にもかかわらず、スポーツ推薦の合格者数を、スポーツ推薦であることを伏せて秋田高校の合格実績!とか、「お前は何を言っているんだ」って思いますよ。


ミルコクロコップみたいな顔で思います。

 

 

大手なんだからさ。
やめません?
なんか、残念だなって思います。
なんで学習指導しかやっていないのに、スポーツで合格した分まで塾の手柄にするの?

 

 


これを執筆している2019年3月も、今年の前期入試で当塾から秋田高校にスポーツ推薦枠で前期合格を決めた生徒が当塾にいます。

この生徒はある個人競技において秋田県で1・2を争うレベルの生徒で、優勝経験も何度もあります。
当然県の強化指定選手にも選ばれています。

この生徒に対し、秋田高校からスカウトの声がかかったわけですよ。
で、受験して合格した。

 

これは私の実績かと言ったら、そんなわけないんです。
私は数学しか教えていないのに、なんでスポーツで合格した生徒の分まで私の手柄になるのか。
指導において手柄というのがあるとすれば、その生徒を担当したコーチでしょう。
塾の手柄ではありません。
よってこの前期合格は「塾の実績とは言えない」と考えています。

 

もちろん、当塾に来て定期・実テ・模試の点数が飛躍的に上がり、前期入試の対策にはなっていました。
ただ、スポーツ推薦の『合格』に関しては、その生徒に対する私の貢献度は高くないでしょう。
スカウトが来たところに合格しているんですから。
私の手柄とは思いません。
ですから、私は「合格実績」という言葉を使わないし、ずっと公表しなかったわけです。

 

 

ちなみに。
当塾の塾生のレベルとして参考になればと思い、『合格実績』ではなく『合格した生徒』という意味で初めて書きますが、この記事をアップロードした2019年3月12日時点では開業から7年、当塾の生徒で秋田高校を受けて合格できなかった生徒は一人もいません。
秋田高校の合格率は開業以来100%です。
付け加えるなら、秋田南高校も秋田北高校も秋田高専も合格率100%です。

中央高校は残念ながら不合格だった生徒はいます。

なお、当塾の卒塾生のうち約9割は上記に挙げた5校のいずれかを受験していてこの数字です。

※2019年3月13日の合格発表にて、北高で残念な結果だった生徒が出ました。受験前の追い上げはかなりのものがあり、よく頑張っていましたが、最後一歩及ばずでした。それ以外は秋田高校・南高校をはじめ全員合格しています。

 

もちろん、これを私は「自分の実績」と言うつもりは毛頭ありません。
私の貢献度なんかは微々たるものですから。
あくまで卒塾まで在籍していた生徒のレベル・点数帯として参考になればと思い、今回初めて明かしました。

年々口コミで『できる生徒の集まり具合』が上がってきており、これを書いている時点では小4~中2のうち附属小・中で7割以上を占め、それも学年トップも含め上位層が結構いたりします。残り3割についても公立中においてほとんどが学年上位の生徒です。

必ず数字で結果を出す、ということを徹底してきた結果、上位層の方々に認知されてきたものと考えております。
ありがたいことです。

 

 

今回の話をまとめると、業界全体として「軽々に合格実績という言葉を使ってほしくない」と私は思うわけです。
腕が良いわけでもないのをカネで買った『合格者数』という数字で偽装して、さも「腕が良いんだよ!」と錯覚させて集客する手法はどうなん? と思います。
まぁ、個人経営の小さな塾の塾長がそう思ってるだけなので、大手塾がそれを改めたりすることはないと思いますが。